ハロモニにあってハロモニ@にないもの

さてさて、そんなハロモニ@も 9 月末をもって終了するそうで、視聴率とクォリティの低下が騒がれつつも、昔から愛着がある番組なのは確かで、初期の頃は VHS で録画していたぐらい思い出がたっぷり詰まった番組だけに、残念無念。VHS でっせ、VHS!当時の懐かしい映像を思い浮かべると、デジタルのクリアな画質ではなくてアナログのノイズィーな画質で脳内再生されるもんで、それだけメディアの過渡期をハロモニと共に過ごして来たことになるなぁとしみじみと。そこで、今更感は拭えないけども、最近のハロモニ@と当時のハロモニとは全くの別物!という意見も散見される中、どこがどういうふうに違うのか、当時のハロモニには十分にあって今のハロモニ@に足りないものは何なのかをちょっと考えてみたよ。大きくまとめれば次の二点に集約されるのかも。

「個」に迫る、掘り下げる

ハロモニの人気企画の一つに「モーム素。部屋」というのがあった。2003 年放送で「もしもモーニング娘。がひとつ屋根の下で暮らしたら……」というテーマで娘。たちが好き勝手にはしゃぎ合い、じゃれ合い、語り合う姿をただ放送する企画。石川に馬乗りになって遊ぶ矢口、いしよしの枕投げ、ベッドに座って写真集を眺める 5 期、料理をする辻加護、結婚の話で盛り上がるオトナメンバーなどなど、これ以上の「個」に迫った企画はないんではないかな。それはもう、娘。たちが食事会や飲み会に行ったらこんな会話で盛り上がりそうだとか、この娘はこんなネタが好きそうだとか、この娘はこんなケースでこんなリアクションをとりそうだとか、妄想の幅が広がって尽きないレベル。



そういう「個」に迫った企画が、最近のハロモニ@には極端に少ない。ない、と言っても過言ではなさゲ。迫ってほしい「個」が別の対象に迫っている様子に迫るのだから、ひたすら間接的でインパクトも薄くなると。その良い例が MouTube ね。MouTube 自体が「個」に迫っていないのは言うまでもないのだけど、あの長机に一列になって座るカウンター方式がさらにそれを悪化させているような気もする。と言うのも、あれだと端と端が絡めないから。絡もうとすると前のめりになってカメラには横を向くことになる。互いの顔同士を近付ける、という意味ではやはり前列/後列方式が良いのかも知れない。前 5 人、後ろ 4 人あたりでいかがでしょ。



あと、個人的に好きな企画に「6 期を学びましょうハロモニ。図鑑」というのがあった。これも 2003 年!2003 年熱いのぅ。内容は新メンバーとして加入した 6 期についてあんなことやこんなことを暴露させて掘り下げまくるもので、新キャラとしての 6 期にがっつく在籍メンバー、特にいいらさんのテンションが激ヤバだったっけ。さらに、さゆえりのカワイイ対決や、「正直、自分のコト好きです」とか「性格はそこまで好きじゃないんですけどぉ」など、一言一句爆笑を巻き起こした重さんの名言が生まれた神企画でもある。



こういうメンバーの掘り下げも今のハロモニ@にはない。愛佳やジュンジュン、リンリンが加入して来たときにこういう企画を待ち望んでいたのだけれど、結局はほとんど掘り下げられないまま今に至った感がある。その後、ジュンジュンのイメージはバナナ、リンリンのイメージは「バッチリでーす!」と……。


6 期で思い出したけど、6 期には「観察大作戦」というとことん 6 期に密着する企画があった。これも単純に加入当初のさゆえりれいなにカメラを回しているだけの企画なのだけど、今のハロモニ@では考えられない。「ベリキュー!」とかではまだ考えられるけれど。6 期は正直、こういう密着企画と掘り下げ企画でハロモニに育ててもらえたという印象があって幸せだなぁと思う。その 6 期の 3 人が今のハロモニ@の企画に出演して、一体どう思うのかは興味があるところ。



ただメンバー同士が何気なく向かい合ったり、ときにはじゃれ合ったりしながらお互いを知るだけの超経済的な企画でありながらも、視聴者側にとっては「だがそれがいい!」というのがどうも企画製作側には伝わらないようで、ここに企画制作側と視聴者側とで避けられない溝、というかジレンマがあって解決が難しいところでもあるのかなと思った。良い「個」が揃っているのだけどそれを活かしきれない、というのはハロモニだけでなくて他の番組にも当てはまりそうな気がする。


そうそう、あと付け加えるなら「叩いてかぶってジャンケンピョン」という企画も、初期の頃に盛り上がった記憶があるけど最近は全く見なくなった。あれにも叩き合うことで見えて来る「個」がわんさかある気がするのだけどね。しかも、ピコピコハンマーとヘルメットさえあればできる企画なのでやたらと経済的。あと、腕相撲対決とかも。「個」に迫る企画にお金はほとんど必要のないものが多い気がする。

娘。に閉じない、ハロプロ内オープン

ハロー!モーニング」という名前だけに主役はもちろん娘。であるが、初期の頃はオープニングで「Hello!のテーマ」をハロプロ総勢で歌っていたし、各コーナーにはメロン記念日とか太陽とシスコムーンなども出演していた。あと、夏にはシャッフル企画としてワイワイと大人数でお祭り気分で盛り上がっていたのも懐かしい。(辻の「だって自慢すんだもーん」の名言もここから生まれた!) そう言えば、紺野あさ美のおじゃまるしぇなども、ユニットという枠を越えた企画だったっけ。



一方で、現在のハロモニ@はどうだろう。スタジオライブ以外で娘。以外のメンバーやユニットが出演して娘。と絡んだ記憶が最近では全くない。ハロモニ王国と言っておきながら、完全にモーニング娘。王国ッスよね、しかも鎖国状態の。番組には毎回変化を求める層が多いと思うのだけど、番組側が頑なに変化をさせないようにしている(ように見える)のはなぜなのだろう。


これにはハロモニ@の問題だけでなくて、Dohhh! UP での配信、「歌ドキッ!」や「ベリキュー!」の放送、YouTube でのドガドガ7 の配信などなど環境的な面も関係していそうで奥が深い。役割が細分化されたためにハロモニ@の果たす役割が薄くなったというか何というか。これも Web を活用した時代の流れと言ってしまえばそうなのだろうけど、どことなく寂しい。さらに、TV から FC 限定やコンサート DVD などのコアなファン層向けに事務所が力を入れ始めたというのもあると思う。「個」に迫る企画は FC 限定の DVD でお楽しみに!という感じで。DVD や Web へ注力するのと同程度に TV へも注力し続けることはできないものだったのだろうか。TV は TV で伝えられる魅力的なコンテンツがあるんではないかとは思う。例えば、スタジオライブとか。ハロモニ限定 Ver. のスタジオライブとかあれば、見たくなるんではないかな。