「MADAYADE」 MITADE

BluePhobos2008-11-02

ってことで「MADAYADE」の感想でも。イントロはご機嫌なエレキギターで、ベンチャーズも涙目のトゥクトゥクトゥクトゥク……のハロプロらしからぬところがナイスポインツ。このギター音は一般的にテケテケテケテケ……とよく言われるが、決してテケテケテケテケ……などとは鳴っていないという議論をどこぞのブログか TV 番組で見たっけ。まぁ、トゥクトゥクトゥクトゥク……も怪しいところではあるけれど。こういうギター音を文字化するのと、梨沙子の笑い声を文字化するのとどちらが難しいかって?イエッサー、それはもちろん後者です。


サウンド的には長調よりは短調で、似通ったメロディとフレーズの繰り返しによる迫り来る感と言うべきか込み上げる感、という意味では娘。の「THE マンパワー!!!」に近いものがあるかも。それを Berryz 味にアレンジしてコミカルにした感じとでも言えばよいのかな。特にサビでは溜まって溜まって溜まって溜まってぇーーー、一気に解放〜!というのを音階の昇降と擬音語で表現するところがウマイなと。なんとなく、PV の設定として登場する OL の一週間を表していたりして。平日に気を張り詰めて頑張って疲労やらストレスやらを溜めて溜めて溜めて溜めてーーー、休日にびよぉ〜んみたいな。



惜しいポインツとしては、彼女たちの声によるびよぉ〜んとエレキでのびよぉ〜んがあるだけに、彼女たちのヴォーカルが非常に平滑なものに聴こえるところ。もったいないのぅ。伸ばすところにはやはりビブラートを効かしてほしいなと思った。特に B メロと C メロあたりとか。桃子の「愚痴は言〜わ〜ない」のパートの「わ〜」の箇所には若干ビブラートが掛かり気味に聴こえるけれど、その後の雅のパートではノン・ビブラート。雅ほどの歌唱力の持ち主であれば、ビブラートぐらい掛けられると思うのだけど、ハロプロ曲の歌唱におけるこの制限・制約はいつも気になる。


ヴィジュアル面では相変わらずハロプロの PV の遺伝子を引き継ぎまくっていて面白い。まずはカラーリングについて。


ハロプロの PV は往々にして衣装、セット共にマーブルチョコレートのようにカラフルなのだけど、今回もそれに従順に従っている模様。ただ気になったのは、何故に Berryz のジャケット衣装が暖色系オンリー?というところだったが、彼女たちが OL の制服を着て仕事をする側のスペースは青や水色、灰などの寒色系(電話機が微妙だけど)で統一されていて、一方ダンスをするスペースは後ろの椅子も含めて暖色系で統一されていることに気付いた。思いつくものでは例えば「女子かしまし物語」なども現実 vs 仮想 or 脳内みたいな二面性を表現しているのだけれど、カラーリングによってここまで両者を明確に表現した PV は今作が初ではないかな。寒色/暖色とは言っても、OL の Berryz さんたちもめっちゃ楽しそうなので、本人たちからすればあまり意識はナサゲだども。



その次に、外国人の起用について。


ハロプロの PV に登場する人物は基本的にはメンバーのみだが、それ以外に脇役として登場する場合には往々にして外国人が多い。例えば、娘。の「浪漫〜MY DEAR BOY〜」の審査員もどきの方々とかカントリー娘。の「初めてのハッピーバースディ!」のシェフとか。「ミニモニ。ジャンケンぴょん!」も外国人とジャンケンしてたっけ、確か。ハロプロファンにいるかどうかわからんけど、外国人フェチにはたまったもんじゃありません。で、この外国人がイイ味を出しちょる。メンバーとのギャップがデカイかな。少なくとも、言語も髪色も年齢も背丈も違う人種同士が、とある設定下において同じ空気を吸って同じ時間を共有しているという「有り得なさ」「非現実性」が面白いのかも知れない。それに、外国人のカッチョ良さ、知的さ vs メンバーの可愛さ、天真爛漫さのギャップがブレンドされているみたいな。今作では会社という現実性を帯びまくった環境にありながら、それらのギャップと非現実性をも共存させているのだから、ある意味カオスなのであります。



これからも外国人をどんどん PV に起用してもらえると嬉しいなぁ。提案ですが、映画「マトリックス」のスミスのような、何かあったらすぐにでも懐からチャカを取り出しそうな外国人なんかいかがでしょ。あとは、お菓子を頬張る桃子に注意する赤服眼鏡上司のリップシンクを見ると "OK" と喋っているように見えるので、言語は英語という設定とみた。ここで桃子の英語力が活かすときがキタ(Z)!


他には、2 番 C メロ部分のパッと見「イチバァーン!」の振り付けに関してだけど、これはその部分の歌詞の「そう 受信しよう」に掛けてアンテナを体現していると見て FA? 以前に娘。が体現していたけど、やはり Berryz の身長差を活かしたアンテナは受信感度が違いそうッスね。ちと千奈美がソロパートでセンターにいるせいか飛び出とりますが。



他のディテールでは、お金が天から降って来るという nzkr(なんぞコレ) なシチュエーションでの熊井友理奈。彼女、明らかに「うぅわぁー」って言ってますな。あと、ブラインドキータッチをするキャプテンはけっこう気合入ってるけど、ちらっと映る梨沙子のキータッチ具合がまるでキーボードをコチョコチョ〜とこそばせているように見えて滑稽ったらありゃせんので、そこんとこも是非ご確認を。間奏の Close-up のところでは、もうみんなカワいくて「カワイイ」以外の形容詞を見つけるのが難しいのだけど、キャプテンだけは何か皆とは別の異なる魅力のようなものに引き込まれてしまった。違和感のなさが関係してるかも?



最後に、ダンスショットのお気に入りはこのポーズ。もしコミックの一コマのように擬音語を付けろと言われたら、迷わず「バァーーーン!!」と大きめの斜体フォントで付けようと思います。ロゴか何かのシルエットには最適かも。これとあと、できればトンガリ帽子のポーズとかもオプションとして追加で(笑) 今気付いたけど、このバァーーーン!!のポーズって、スケボーとかサーフボードに乗ってバランスをとるときのポーズと似てたりして。