第 7 回ハロプロ楽曲大賞 2008 投票

BluePhobos2008-12-07

楽曲部門

5位 HANGRY & ANGRY / Angelia (1.0pt)


HANGRY & ANGRY の楽曲で最も印象に残っているのがこの「Angelia」。果てしなく切なく、果てしなく強く、といったテイストをとことん追求した楽曲となっているように思える。


雰囲気としては同じデュオの t.A.T.u. っぽいかなと。ぶっちゃけてしまえば、どう見ても洋楽です。本当にありがとうございました。と言いたいところだけど、この楽曲を聴いてこれが楽曲大賞のノミネート曲、つまりハロプロ楽曲であるという事実と、この楽曲のハロプロ「らしくなさ」との関係、ギャップ、あるいは融合のようなものをどう捉えるかが奥深きところなのではなかろうか……などと、ハングリーとアングリーのハモリと間奏で鳴り響く鐘の音色に酔いしれつつ思ったのだった。歪む明日を Realize! ある意味、ハロプロにおけるハロプロ「らしくなさ」を限界点まで極めた一曲。

4位 モーニング娘。 / リゾナントブルー (1.5pt)


胸が締め付けられる想いやプレッシャーなどから逃げ出したくても逃げ出せない、誰でもいいから助けを求めたい、という気持ちをいかに歌に乗せて妖艶に伝えるかを極めた一曲。この楽曲で訴えようとしていることが現状のモーニング娘。が置かれている状況を暗示しているようで、そう思うだけで切迫感が伝わって来て仕方がない。それにしても、「う〜ん」とか「あ〜ん」とか「ふぅ〜」とか言葉にならないウィスパーやシャウトが多くて、その観点でのエロス度は娘。でもトップレベルと言ってもよいのではないかな。


ただ、2008 年のモーニング娘。こそ、宝塚と言えばの高橋愛をリーダーとしての熟成期として「Mr.Moonlight〜愛のビッグバンド〜」のような華々しい楽曲を期待していたのだけど、結局実現されずに残念だった。そういう楽曲があれば 1 位にエントリーしていたと思う。「何だかわからないけど楽しんでる!超楽しそう!」と思わせる要素が特に今年のモーニング娘。には不足しているように感じたので、2009 年のモーニング娘。にはそのあたりに期待したいところ。

3位 Buono! / 星の羊たち (2.0pt)


美味しいものを食べながら肩に寄りかかってうとうとしそうな曲。ポップコーンを食べながら眠る菅谷梨沙子、そう。まさにアレの状況です。


Buono! と言えば、ギターの音色と共に全身を使って「元気一発!」というオロナミン C 級の強さと、「ほら行くよ!」という積極的にグイグイ引っ張る感のイメージがあるけれど、その分こういう楽曲が際立つと言いますか、チョコレートも溶けそうなこの甘さ、優しさもまた Buono! なんだなと思った。おねむな感じでやや「ぼ〜にょ」っぽくなっとりますが。こういうふんわりとまろ〜んとした優しさに弱いのれす。過去にも、「私がすることない程 全部してくれる彼」とか「VERY BEAUTY」とか「草原の人」とかでメロメロに癒された記憶があるので、おそらくその同系統なのだろう。

この頃私 苦しい 大人の女になれなくて

と B メロで歌う桃子の心境が興味深くて仕方がない。自称リーダーの桃子がそう歌わされ、さらに桃子のパートは B メロのみという、優しさの中にもイジリあり的な部分も聴き逃せませんぜ。

2位 Berryz工房 / BE (2.5pt)


Berryz工房の成長が感じられる曲。Berryz工房も初期はハロプロ・キッズとカテゴライズされていた頃があったわけで、この楽曲ではそんな元キッズが現役のキッズと一緒に歌っているのです。なんとなく過去にタイムスリップして過去の幼いハロプロ・キッズと歌っている、そんな様子を思い浮かべるともうね、という感じ。


キッズとの斉唱だけでなく、演奏も凝っていてピアノにシンバル、そしてクリスマスソングでよく聴く「シャーン」という音色の鈴、あとティンパニティンパニのドドドン!が熱い。松浦亜弥がもうだいぶ前に NHK チャリティコンサートでオーケストラをバックに歌っていたけど、もし今ならこの楽曲が候補筆頭ですな。コンセプトは天使ということで、衣装は「付き合ってるのに片思い」が比較的近いのかなと。


「BE」は英語で習う御馴染みの be 動詞で、歌詞では「あの子が居る」の「居る」に使われているのだけれど、will が省略されていることにご注意を。つんく♂ P は「あの子」をまだこの世に生を受けてない人をイメージしているそうだけど、「あの子が居るであろう」場所をコンサートのステージなど、現在の Berryz工房が居る場所に置き換えると、まさに上述のタイムスリップで過去の自分とご対面!みたいな話が歌詞と共に鮮明になって来て、うるうる感増し増しに。つまり、あの子 = 未来の自分という考えね。とりあえず、幼ない熊井ちゃんが現在の熊井ちゃんを見上げて開口する様子が見てみたい。

その未完成なのは、決して作りかけの焼きそばを出しているのではなく、レアに焼いたステーキみたいなものなのです。この味をしっかり味わってください。


2008年09月22日のブログ|つんく♂オフィシャルブログ 「つんブロ♂芸能コース」 powered by アメブロ -3ページ目
1位 Buono! / ロッタラ ロッタラ (3.0pt)


「どれっくらい♪」がキャッチーでそれに加えて「ロッタラロッタラ♪」が口ずさみやすく、「ホント?!」「ナンデ?!」などの台詞とメロディとのメリハリが爽快過ぎる一曲。


Buono! の楽曲を聴く度に、か細い 3 人の女の子のボーカルと喧しいギターとのバランスをよく図っているなと思う。Buono! が出た当初はこういうガールズロックな曲調はハロプロファン層には受け入れられないと思っていたのだけど、ところがどっこい大人気ではないか。2007 年にデビューで衝撃を与えて 2008 年にさらなる躍進で CM 出演まで登り詰めるまでに至り、一体 2009 年はどうなることやら。最終形態は自ら楽器演奏かな……。


やはり、この Buono! の人気は笑顔で、明るく、楽しくというハロプロが掲げるポリシーとガールズロックが見事にマッシュアップした結果ではないかなと思う。後は、一つ一つの楽曲の差別化をどう図るかが課題かも。どうしても曲調が似通ってしまう印象があるので。そういう意味では、この「ロッタラ ロッタラ」は今までの良い部分をそのままにしながら、今までとは少し違った要素を取り入れたようにも思えるので、Buono! 変革の兆しの曲ともなり得るかも?「ホント?!」ということで、1 位にしてみた。これからも色んな「美味しい」を表現していってほしいと思う。

PV 部門

3位 Berryz工房 / ジンギスカン (1.0pt)


通常版がそもそも Live Ver. であることと幼稚園児をオーディエンスとすることの発想、さらにヲタ芸をさせることの発想とその展開がスゴイ。推しジャンプのタイミングもバッチリ YO! この独創性こそハロプロ也。あとはなんちゃってとは言え、楽器を手にしてカッチョ良くポーズを決めるシーンも見応えアリで、それでも滑稽さはやはり前面に出しているところも Berryz らしくて面白い。何やら幼稚園児にも覚えられるように振り付けも簡単にしてあるそうで、アイドルとファンとのより良い関係、一体感が凝縮されている作品となって印象深いものになった。

2位 Berryz工房 / MADAYADE (2.0pt)


以前にも書いたけど、寒色と暖色を使って現実と夢が見事に区別され、上手く演出されている作品。安倍なつみの「ストレス」もオフィスがテーマだったけど、まさか Berryz工房もそのテーマで来るとは予想だにしておらず、尚且つオフィスで単に踊るだけというベタなつくりではなく、要所要所にネタが仕込んであるあたり、Berryz工房らしさのファニーテイストに溢れていて面白いと思った。内容はメンバ同士が同僚として和気藹々としているものだけど、キャプテンが先輩で梨沙子が新人というふうに上下関係を付けても、また違った展開が見れそうで面白かったと思う。

1位 Buono! / 恋愛ライダー (3.0pt)


まず、何がイケてるかと言うと三色の同心円状の模様と矢印の視覚効果。シンプルだけどオシャレに魅せるデザインが秀逸で、できればこういうセンスを身に付けるための Web サイトを教えてほしいぐらい。あと、間奏ではそれプラス、メンバーをシルエットにしたり一瞬白抜けさせてみたり背景を黒にしてみたりとカラーリングに関して遊び心マンテンなところも面白い。遊び心と言えば、桃子を三輪車に乗せるなどのこちら側の遊び心もたっぷりで、色んな面から見ても楽しめる作品に仕上がっていると思う。その代わりに桃子の小指はテラフィーチャー。


あと気になったのは、画面を頻繁にフラッシュさせる技法。以前では、おとめ組の「友情〜心のブスにはならねぇ!〜」で使われていたもので、最近では ℃-ute の「LALALA 幸せの歌」とかアップフロント以外では「だいたーん」で御馴染みの可憐Girl's「Over The Future」でも見られるあのピカピカね。こういう技法の採用も、演出に力を入れている証だったりするのだろうか。