第 9 回ハロプロ楽曲大賞 2010 投票

BluePhobos2010-12-08

楽曲部門

5位 リルぷりっ / アイドルール (1.0pt)

アイドルール(初回限定盤)

アイドルール(初回限定盤)

アイドルと言えばとにかく自由奔放で明るく楽しく元気良く!というポジティブな存在であり、「厳しい」というネガティブな形容は似合わない(と言うか極力そこを見せない)イメージが強いのだけれど、そこを敢えてその厳しさに立ち向かう自己について楽しく可愛く言及するといった珍しく新しい一曲。「おなら」や「カレシ」だなんてとんでもないでーす、と言っておきながら、直後に「きっと今のは天使のフルート」や「隣の人は赤の他人よ」といったエスケープ的な台詞を持って来るあたりが面白可笑しくて今年一番のツボ。そのアイドルールの唯一厳しくないところに、アイドルのか弱さとアイドルに対する優しさが見い出された曲でもある。

4位 Berryz工房 / シャイニング パワー (1.5pt)

シャイニング パワー(初回限定盤A)(DVD付)

シャイニング パワー(初回限定盤A)(DVD付)

Berryz 特有の哀愁クールっぽいメロディがとにかく耳に残った曲で、熊井ちゃんの「俺に付いて来ーい!」的な舵取りボーカルも新鮮。ただ、イナズマイレブンへの配慮とは言え、サビで目立つ「お弁当」「唐揚げ」「おかず」「ご飯」といういかにも食いしん坊なつんく♂テイスト満載の歌詞にはおったまげたけどね。このメロディのこのサビにそれらを持って来ますかっていう。まぁ、この曲のように他にはマネのできない唯一性というか独創性では Berryz はアイドル界を突っ走っていると思うので、今後もどんなメロディと歌詞を引っ提げて来るのかが楽しみではあるかな。個人的にはそろそろイナズマイレブン路線からの変化がほしいところ。

3位 スマイレージ / サンキュ!クレームブリュレの友情 (2.0pt)

夢見る 15歳(初回生産限定盤A)(DVD付)

夢見る 15歳(初回生産限定盤A)(DVD付)

スマイレージのブレイクイヤーである今年で一番耳に残った楽曲は実は「○○ がんばらなくてもええねんで!!」なのだけど、聴いた回数と多幸感のデカさではこの曲が一番かも。何というか、スイーツ好きの等身大の彼女たちが真っ直ぐに表れているとでもいうような感じで、ユニークさを前面に出した「○○ がんばらなくてもええねんで!!!」や背伸びし過ぎ感のある「夢見る 15歳」に比べても、聴いていて違和感が少ないなと。あと、A メロのパーカッション主体の伴奏に乗っかるボーカルにはどこからともなく湧き上がるワクワク感みたいなものがあって、そこもこの曲のお気に入りポイント。和田彩花が歌う「お見通し」の「し↑」が何か知らんけど病み付きなのです。

2位 亀井絵里道重さゆみ田中れいな / 大きい瞳 (2.5pt)
1位 モーニング娘。 / 涙ッチ (3.0pt)

10 MY ME

10 MY ME

今年のモーニング娘。で最も聴いた回数の多かったと思う二曲。亀井、道重、田中の三人のボーカルは本当にそれぞれがケンカをしない、衝突しない声質をしているせいか、そのハーモニーが特に心地良く聴こえるのがこの「大きい瞳」を選んだ理由の一つ。歌唱力は皆向上しているとは思うけれど、いつの頃からか亀井の歌唱力には目を見張るものがあると感じていて、それだけに卒業で抜けるのは本当に寂しい。他に挙げるとすると、道重ボイス×ヴォコーダーかな。これが実現するとは数年前には夢にも思わなんだという感じで。さらに他の選考理由を挙げれば、私ぶるふぉぼ。が吸い込まれそうな大きい瞳フェチだというのもあったりするけど、これはあまり関係ないか(笑)


「涙ッチ」は往年のモーニング娘。っぽい、ラーメンで言うところの昔味のような曲調で、モーニング娘。モーニング娘。であることの美しさと素晴らしさ、もっと広義に、人が人であることの美しさや素晴らしさを再確認するような力強い曲。YouTube でライブ映像を見ても今まで受け継いできたモーニング娘。の信念と祝福のようなものが映像と共に感動となって伝わって来るようで、ライブに参加して実際に生で聴くとその感動は計り知れないのかなと思った。久々に努力・未来・A BEAUTIFUL STAR のフレーズを思い出したよ。

PV 部門

3位 Berryz工房 / 友達は友達なんだ! (1.0pt)


最近のハロプロの PV/MV では少なくなったように感じるドラマチック性が意識された作品。主役が桃子のためリアリティ高めで感情移入がし易いという面も効いていそう。まぁ、その桃子が良い表情をするところと横顔美人なのも実は選考理由の一つなんだけどねー。まぁ、純粋に飾ることなくメンバーが和気藹々と楽しそうにゆるーく過ごすシーンが微笑ましいのと、楽しいところから一旦寂しくなってまた楽しくなるという波が、最後の浜辺で見える波と掛かっていて面白いのもあるかな。ほっこりしたいときに見ると良い作品ザベストオブ 2010。

2位 スマイレージ / オトナになるって難しい!!! (2.0pt)


アナログをデジタルで表現することによって女の子の可愛さを増進増幅させることにトライした斬新な作品。アナ・デジ・カワ変換。コマ数を落としたアナログな演出とすっかり御馴染みになった白フチやキラキラ、影と奥行きの表現、さらにそれらに加えて寄りの画のスライドインやズームなどの動きも多く、とにかく可愛く見せる映像の加工と構成についてこれでもかと言わんばかりの技術とアイデアが散りばめられている印象を持った。4 人が歌って踊る撮影映像を、デジタル技術を使ってこうまでも巧く加工して可愛さに昇華する作品というのもそうそうないんではないかな。

1位 真野恵里菜 / 元気者で行こう! (ディレクターズカット Ver.1) (3.0pt)


自分にしか見えない誰かが自宅から学校や職場にまで付きっ切りで自分を応援してくれるというのは CM とかでよく見かける設定なのだけど、本作ではその設定を基にしつつ、元気者を見える化したオッサンを真野ちゃんが鞭でしばき倒しで気合を入れさせる、という構図が何ともユニークで分かり易い作品。加えて映像に漫画っぽく台詞を重ねることによる OPV チックな手作り感、さらにどこかで何かが動いているという忙しなさ、さらに言えば登場する人物間の一体感などがうまく元気に結び付けられた作品だと感じた。


どこを見ても動きや変化が多いというのは、ハロプロのようなアイドルの PV/MV としては大事な要素だと気付かされた。真野ちゃんだけを見ていたい、というファンもいるのだろうけれど、楽曲をより楽しんでより好きになる(させる)という観点では動きや変化、特に周りの人物の存在、モーション、表情なども大きいのだと思う。例えば新垣結衣のポッキーの CM にしても、最近人気の SKE48「1! 2! 3! 4!ヨロシク!」にしても、畑を変えて「Where the Hell is Matt?」とかにしても、(一緒くたにして語るのはやや乱暴かもだけど)いずれの作品も共通して人の動きとか表情、映像における変化、そこから溢れ出す活力や躍動感、一体感は凄まじく、見る者を虜にするのだと思う。「元気者で行こう!」はこれらの観点で理想に近かった。そうそう、選外とは言え評価の高かった「マイ・スクール・マーチ」にも同じことが言える。


一方で今年のモーニング娘。の PV/MV はこれらとまさに対極、つまり映像としての当人以外の動きや変化が非常に少ない作品が多く、評価できるものがなかった。映像で伝えたいことに対する愛情が希薄になっているのではないか、とすら思った。もちろん PV/MV の内容は楽曲の曲調にも依存するし、製作には経費の問題とかもあるので難しいのだろうけれど、今後のハロプロの、特にモーニング娘。の PV/MV に関してはここで述べた観点をベースに(してもらえたら嬉しいなと願いながら)是非改善してほしいと思った。